マイクロメーターやノギスでは測定できない場面で活躍するのが、検査治具です。検具とも呼ばれており、金型で制作された製品の測定で活躍しており、効率的な生産と品質に貢献しています。その特徴がひと目見てわかる複雑な形状です。自動車プレス部品用の検査治具であるステアリングメンバーやフィラーチューブなどを見ると、まるでジオラマの建物のように見えることでしょう。
測定対象となる部品や製品に合わせ最適化されているためであり、測定精度と検査効率を高められます。自動車部品向けとしては、車体骨格の一部であるステアリングメンバー、燃料注入口と燃料タンクを結ぶフィラーチューブ、座席の骨格であるシートバックフレーム、エンジンカバーなど、金型を利用した量産部品の製造で活躍しています。検査治具のメリットは、個人差の生じやすい測定値や結果を安定化させることです。ノギスやマイクロメーターなどの測定器だと、個人個人の経験や技量などの差が測定結果にも生じてしまいますが、部品ごとに最適化された検査治具であれば、スムーズかつ精密に検査できます。
また三次元測定機では、検査時間がかかるため生産ラインの停止や遅延により、生産効率が落ちてしまいますが、検具ではありません。検査治具は部品ごとにオーダーメイドされ、スチールを用いているため耐久性も高く、安定した検査を行えます。自動車や空調機器、設備機械など様々な分野で活躍しており、効率性と品質の両立に欠かせない測定器として活躍しています。